2012年1月10日

ビタミンEの話②
-ビタミンEの多彩な働き-


前回は天然型ビタミンEとビタミンE製剤の違いについて説明しました。今回はビタミンEの多彩な働きについて説明しましょう。

ビタミンEは脂に溶けやすい形をしています。体内に吸収される時は脂肪と一緒に移動し最終的に細胞脂質膜に辿り着きます。リポ蛋白の奥深くにしまわれて運ばれリポ蛋白の酸化防止にも役立っています。細胞の数は60兆個とも言われそのすべての細胞膜にビタミンEが入り込むためにはたくさんのビタミンEが必要になります。特に酸素の多い肺や心臓、赤血球の膜には多く分布しています。特に酸化しやすい不飽和脂肪酸のすぐ近くに入り込んで酸化したらすぐに元に戻す働きをしています。

 


副腎皮質や下垂体といったホルモンを産生する場所にもビタミンEが多く存在します。これはビタミンEがホルモン分泌を調節する役割があるからです。もともと妊娠しやすいビタミンとして見つかったので女性ホルモンには関係が深いのですが、副腎皮質ホルモンや抗利尿ホルモンにも関係しています。γ型のビタミンEの代謝物はナトリウムを排泄する働きがあり、月経前症候群などのむくみを改善します。

また炎症や血栓に関係するプロスタグランジンの代謝を調節しています。ビタミンEは複数の方法を使って動脈硬化や血栓を予防してくれています。

脂ものを避けている方はビタミンEが不足します。良質の油脂や種子をたっぷり摂りましょう。