今回からシリーズで病気の起こるメカニズムを紹介していこうと思います。1回目は「フリーラジカルと活性酸素」です。アンチエイジングや美容のコマーシャルで酸化や錆びなどの言葉をたびたび耳にすることがあっても病気と結びつけて考えることは少ないのではないでしょうか。しかし分子整合栄養医学の世界では「フリーラジカルと活性酸素」こそが病的老化と多くの疾患の根本原因の一つであると考えています。
活性酸素やフリーラジカルはどのような時に発生し、どのような原理で病気を起こすのかを何回かに分けてご説明していきます。
―活性酸素とはなにか?―
代表的なものには スーパーオキサイド O2•- ヒロドキシラジカルHO• 過酸化水素 HOOH一重項酸素1O2 などがあります。反応しやすく触れたものの形や性質を変えてしまいます。酸素を必要とする反応―ミトコンドリアでのエネルギーの産生や白血球・マクロファージの活動―などの際に多く発生します。
―フリーラジカルとはなにか?―
電子を失って不安定になったものをフリーラジカルと呼びます。フリーラジカルは接触した分子の電子を奪うので新たなフリーラジカルを生じます。フリーラジカルの連鎖反応が続くと離れた場所にも影響を及ぼします。
活性酸素やフリーラジカルは接触した相手の性質を変えて時には破壊してしまいます。コラーゲンは弾力性を失い、たんぱく質は機能を失い、細胞膜は間違った信号を出します。遺伝子に到達すると遺伝子変異が起こります。ですからフリーラジカルや活性酸素が発生したら直ちに消去するシステムを持っていますが発生量が消去能力を上回ると問題が起きます。
―フリーラジカルや活性酸素を増やすもの―
・喫煙
・排気ガス
・大気汚染物質
・紫外線
・放射線
・糖尿病や血糖値の急激な上昇
・内臓脂肪
・ストレス
・お酒
・風邪などの感染症
・食品添加物
・化学物質
・ある種の薬
・激しい運動(アスリートが健康とは限らない!)