2012年4月20日

カルシウムの話①


カルシウムといえば骨! 骨粗鬆症の予防には欠かせないミネラルですが骨にとどまらないカルシウムの知られざる姿についてご紹介していきたいと思います。今回は筋肉の収縮とカルシウムについてです。

筋肉の収縮・弛緩にカルシウムが関わっていることを解明したのは日本の研究者江橋節郎氏です。トロポニンというたんぱく質にカルシウムが付くと筋肉の繊維を構成しているアクチンとミオシンの位置関係が変わります。そのスライド運動により筋肉の収縮と弛緩が起こることを突き止めました。

筋肉がちょうどよいタイミングで収縮したり弛緩したりするためには細胞内のカルシウム濃度が瞬時に変わる必要があります。それを実現させるために細胞内外の濃度差とカルシウムチャネルを利用しています。

 


細胞内と細胞外のカルシウム濃度は110000もの差があります。細胞内の濃度を瞬時に下げるために筋肉の細胞内にはカルシウムを蓄える小器官とカルシウムチャネルをたくさん配置しています。細胞内と細胞外(小器官内)の濃度差が小さくなると調節機構がうまく働かなくなります。必要な時にカルシウムを血液中に調達出来るように骨にカルシウムをストックしているとも考えられるのです。

次回もカルシウムの調節機構のお話です。お楽しみに!