2013年3月11日

暮らしに役立つ栄養療法
-アルブミンとむくみ-


今回はちょっと趣向を変えてむくみとアルブミンというたんぱく質との関係について説明しようと思います。腎臓や心臓の病気でなくても夕方になると靴がきついとか、靴下の跡がつくとか、手の指がパンパンに腫れるなどの症状を多くの方が経験されたことがあるのではないでしょうか?検査しても特に病気ではないと言われた時に注目したいのが血液中のたんぱく質量!特に肝臓が合成するアルブミンです。毛細血管は小さな物質や液体が自由に通るように隙間があります。理科で習ったことのある半透膜の性質です。

小さな分子は血管の中と外で同じ濃度になれますが、移動できない物質は濃度差が生じます。水は濃度が同じになるように濃度が濃いほうに移動します。これがたんぱく質の作り出す膠質浸透圧(こうしつしんとうあつ)です。アルブミンはマイナス電荷を帯びているのでナトリウムイオンを引き付けやすい性質もあり、また分子数が多いので大きな浸透圧が生じます。

 

むくみがあっても血管内の水分は減っていることが多いので利尿剤などを使って水分を尿に出そうとすると血管はますます脱水・濃縮状態になってしまいます。本質的な改善にはアルブミンの合成を増やすことが大切です。肝臓でのたんぱく合成を助けるためたんぱく質やビタミンB群をしっかり摂る必要があります。むくみ対策も食事からですね。