2013年5月9日

暮らしに役立つ栄養療法
-副腎疲労症候群②-


体質差はあるものの副腎疲労症候群の発症には「繰り返しストレスがかかっていた」「副腎皮質ホルモンの分泌が刺激されていた」という状況が関係しています。副腎の予備力を増やすためには、ホルモンの合成能力を増やす材料を増やすとともにホルモンが刺激されるストレス状態を出来るだけ減らす必要があります。

暑さや寒さ、怪我、感染などの外的な環境変化や、食事や生活スタイルの変化などもストレスになります。低血糖などによる副腎皮質ホルモン分泌刺激の繰り返しや精神的なストレスも大きく影響しています。

 


副腎疲労症候群と診断されたら、まず自分のライフスタイルや考え方に問題がないかを見直しましょう。ストレスをため込む人、人間関係が気になりやすい人は自分の捉え方を変えることでぐっと楽になることがあります。仕事と自分の時間のバランスを見直しましょう。「他人に迷惑をかけたくない」という気持ちが強すぎると体調が悪い時ほどたくさんの仕事を抱え込み、仕事の時間効率を下げていることもあります。

一度疲弊した副腎は、たっぷりの休息と栄養が必要であることを忘れないでください。すでに症状が出てしまっている時には副腎の予備力は枯渇しています。症状が出る前に比べて150%~200%の余力がある状態を続けてやっと症状が改善してくるのです。

l    食事と睡眠を大切な治療の手段と考えましょう。

l    副腎を回復させる栄養素-たんぱく質、ビタミンB群、ビタミンCなどをたっぷり摂りましょう。コレステロールが低い方はコレステロールも重要な栄養素です。

l    上手にサプリメントを利用しましょう。サプリメントにより早く症状が改善したり体の状態を回復させたりすることが出来ます。

副腎疲労は血圧の低下や低血糖を起こすことがあります。副腎疲労が原因で低血糖になっている方は血糖値を持続させる力が弱いため単に糖分をやめただけでは回復しないことも多く、極端な糖質制限をすると生活に支障が出ることがあります。副腎疲労の原因や治療方法は一人一人少しずつ違いますので、一緒に症状を確認しながらそれぞれに合った食事療法やライフスタイル、ストレスの解消を工夫していきましょう。