2016年3月1日

心不全の早期発見 
- BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)



心臓は血液を送り出すポンプの役目をしています。 ポンプがうまく働かずに心臓に血液がたまったり、動脈が硬くなって血液を押し出すために力がたくさん必要になったりすると、心室の細胞は「大変だ! 何とかしなきゃ」と思って二つの対応をします。一つは心筋の肥大、もう一つはBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の生成と分泌です。

BNPには、尿をたくさん出したり、血管を広げたり、 心筋の細胞を保護したりする作用があります。心臓にかかる負荷に応じて分泌量が変わるため、心不全の早期発見や治療の効果の判定に役立ちます。BNPNT-ProBNPという二種類が測定可能です(基準値は異なりますが数値の意味は同じです)。

 BNPは、心不全の状態をみるためにはとても有用な検査ですが、原因を知る検査ではありません。BNPが高めの場合には、心不全の原因を調べて 治療することが大切になります。