2018年8月1日

善玉菌でも増えすぎは逆効果


”腸活”がブームです。でも”腸活”を単に善玉菌を増やすことと考えると落とし穴があります。腸の運動を整え、適切な場所に適切な数とバランスの腸内細菌を育てる、これが本当の”腸活”です。食物繊維や発酵食品、腸内細菌サプリメントなどを摂ってもお腹が張るだけで便秘や下痢が治らないという方は、小腸での細菌の増え過ぎを疑ってみましょう。

小腸はもともとあまり腸内細菌が存在しない場所。空腸(小腸の口側の部分)では103104/mL未満です。大腸の菌が10101012個ですからかなり少ないですね。何らかの理由で小腸に菌が増え過ぎることを小腸内細菌異常増殖症=Smallintestinalbacterialovergrowthsyndrome:略称SIBOと呼びます。菌の発酵によって水素ガスやメタンガスが発生しお腹が膨れ、げっぷや逆流症状が起きます。SIBOの影響は消化管だけに留まりません。頭痛や関節痛、湿疹、慢性的な疲労感、気分の落ち込みなど消化管と一見無関係な症状の原因にもなります。小腸は重要な免疫組織が存在する場所なので、小腸の粘膜に菌が侵入すると慢性的な炎症を引き起こし全身に飛び火するからです。

菌の侵入によって粘膜の透過性が高まり粘膜の隙間から毒素や大きな物質が入り込むことによって炎症やアレルギー反応、脳の攪乱を起こすこともあります。これはリーキーガット症候群と呼ばれる現象です。慢性的な炎症は副腎疲労症候群の原因にもなります。

SIBOの原因は複数の要因が複雑に絡み合っています。消化管の運動機能の低下、胃酸や胆汁の分泌減少、小腸末端にある逆流防止弁の問題、大腸の菌の過剰な増殖や細菌バランスの乱れなどが原因になります。急性胃腸炎や抗生物質の使用が引き金になる場合もあります。

れはリーキーガット症候群と呼ばれる現象です。慢性的な炎症は副腎疲労症候群の原因にもなります。

SIBOの原因は複数の要因が複雑に絡み合っています。消化管の運動機能の低下、胃酸や胆汁の分泌減少、小腸末端にある逆流防止弁の問題、大腸の菌の過剰な増殖や細菌バランスの乱れなどが原因になります。急性胃腸炎や抗生物質の使用が引き金になる場合もあります。




SIBOの対策

u  消化管の運動を活発にする

(睡眠、ストレス軽減、食事間隔の見直し)

u   胃酸や消化酵素をしっかり分泌させる

(ピロリ菌除菌、胃薬見直し、消化酵素補充)

u  グルテンフリー・カゼインフリー、

FODMAP食(詳しくは裏面)

u  抗生物質や天然抗菌物質によって増え過ぎた菌をコントロール

u  ビタミン、ミネラル、ω3系脂質などの摂取

u  歯周病の予防、口腔内を清潔に

u  消化管の免疫力向上

u  適切な腸内細菌サプリメントの補充





SIBOは奥が深く、治療法も一筋縄ではいきません。まずはSIBOの存在を知っていただき
体質に合った治療法を個別に見つけていくことが大切です。