2018年8月1日

ピロリ菌と胃酸



胃癌の予防のためにピロリ菌除菌が勧められていることは皆さんもすでにご存知の事と思いますが、ピロリ菌に感染していると胃酸が減ってしまいます。粘膜の萎縮性変化によって胃酸を分泌できる細胞が減ってしまうことやウレアーゼという酵素がアンモニアを産生し胃酸を中和してしまうことが原因です。ピロリ菌検査だけでなくペプシノーゲン検査も実施すると胃粘膜萎縮の程度をある程度推定できます。 

胃酸はこれまで述べてきたようにSIBO対策にも重要ですし、胃酸と胃の消化酵素の分泌はたんぱく質の消化吸収、B12や鉄の吸収にも重要です。栄養改善を目指す方はぜひ早期にピロリ菌を検査し、もし感染していた場合には除菌することをお勧めいたします。

(ピロリ菌の除菌にはプロトンポンプ阻害薬と抗生物質を使用します。抗生物質のアレルギーを持っている方は必ず担当医にお伝えください)