2019年7月1日

オーラルフレイルを予防しよう


 身体的なフレイルのうち、オーラルフレイル(=口腔内に関するフレイル)は特に問題です。歯を失うこと、歯周病、嚥下機能の低下、口腔内常在菌叢の悪化などを指します。口から食べることには「食べる幸福感・美味しさ」もさることながら医学的にも意味があります。

    一日何回も唾液が出る→口腔内の衛生が保たれる

    味覚・嗅覚・口に入ったという刺激→脳や消化管に信号が送られる

    食べ物によって腸内細菌や消化管粘膜が育つ

    点滴では入れられない大切な栄養成分がある

    免疫・防御機構の最前線

オーラルフレイルの悪化は栄養欠乏や誤嚥性肺炎などを引き起こし、命にかかわる危機を招くことがあります。誤嚥性肺炎や手術後に禁食期間が長くなるとオーラルフレイルが進むので早期から口腔内のケアや適切な嚥下リハビリを行って出来る限り口から食べられるようにすることが大切です。医療機関や施設においてオーラルフレイル回復の体制が早く整って欲しいと思います。脚の筋肉が衰えたら舌や嚥下の筋肉も衰えています。私たちもよく噛んでよい栄養を摂り、口腔内のケアをし、歯科医ともっと仲良くしましょう。オーラルフレイルに早く気づき対策を取ることにより「最期まで口から食べる」を実現したいものです。