2022年3月1日

光で睡眠コントロール

  よい睡眠って日々の活力をあげるだけでなく将来の病気の予防にも役立つってご存知でしたか。睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があり、一回の睡眠あたりだいだい4から5サイクル繰り返しています。1サイクルの長さは加齢とともにすこし短くなり特にレム睡眠が短くなります。赤ちゃんがたくさん寝て、歳をとるにつれて眠れないと感じるのはそのためです。レム睡眠の時間に夢を見ることが多いので、最近あまり夢を見なくなったと感じている人はレム睡眠が減っているのかもしれません。


 睡眠には三つのホルモンが大きな関わりを持っています。メラトニン、コルチゾール、成長ホルモンです。コルチゾールは太陽、メラトニンは月と表現され、朝起きて活動するためのホルモンがコルチゾール、夜寝るためのホルモンがメラトニンです。この二つは互い違いに分泌されます。メラトニンには脳細胞の炎症や酸化を防いだり、血糖値スパイクを減らしたりする働きもあります。


 成長ホルモンは成長期に盛んに分泌されて成長を促すホルモンです。大人になってからも分泌され、筋肉の増強、細胞の新陳代謝などを盛んにします。成長ホルモンは10時から午前2時が分泌のゴールデンタイムで、睡眠の2サイクル目に特に盛んに分泌されるので、眠りが寸断されたり昼間に寝たりすると分泌量が減ってしまいます。寝不足の時に肌の調子が悪くなるのは成長ホルモン分泌がうまくいっていないためです。


 よい睡眠にはメラトニン分泌が欠かせませんが年齢とともに減ることが判明しています(図)。メラトニンは光によって消失するため、リズムを整えるためには朝には強烈な、出来れば全身に光を浴びること、夜は光を暗くすることが大切です。夜にスマホやパソコンのブルーライトが目に入るとメラトニンが消えてしまいますから昼夜逆転の原因になります。子どもが夜にネットやスマホをやめない場合、何かしらの理由があるので頭ごなしもダメなのですが、親子で朝の光を浴び、夜は出来るだけ早く寝ることをぜひ心がけていただきたいものです。