2010年4月1日

食事療法の嘘?本当?
-「糖は脳の栄養?」について-


「脳はぶどう糖を栄養としているので、糖分を摂りましょう」という宣伝文句を見たことがありますか?この点を考える上で二つのポイントがあります。

    脳は糖だけでなく脂肪を分解して出来る「ケトン体」をエネルギー源として利用することが出来る

    脳へのぶどう糖の供給は常に一定であることが望ましい

については基礎医学の教科書にも書いてありますし、糖質制限食を世に広めている江部先生の著書をぜひご参照ください。さてについてここではお話しましょう。脳へ供給される血液中のぶどう糖は常に一定値が望ましく高すぎたり低すぎたり乱高下したりするのは身体にとても負担になります。一部の人は糖を「砂糖やぶどう糖」「白米」の形で食べると血糖値が急激に上昇した後に急激に下がったりしてしまいます(この状態を機能性低血糖症と呼びます)。また糖尿病の人は血糖値が高いのにそれをうまく利用することができません。「血糖を一定に保つためには血糖を急激に上昇させてはいけない」ということがわかります。玄米やライ麦・全粒粉などやたんぱく質、野菜(糖分の多い野菜は除く)からぶどう糖を摂取することが大切です。逆にスポーツ飲料や甘いお菓子などは危険です。また無理に穀物を摂らなくてもたんぱく質を分解したアミノ酸からぶどう糖を作り出すこともできます。

「脳に糖を送りたかったら糖を摂らない」という新常識をぜひ覚えてください。