2016年8月1日

見逃されているマグネシウム欠乏


栄養解析では、血液や尿の検査によって潜在的な欠乏を見つけます。ところがマグネシウム濃度は厳密に血中濃度が調整されているために欠乏が見逃されてしまいがちです。

マグネシウムは約60%が骨に、27%が筋肉に含まれ、細胞外液に存在する量は体内総量のわずか1%程度です。血液中のマグネシウム濃度は下がるとすぐに補充され2.32.4mg/dlぐらいとほぼ一定に保たれます。血液検査でマグネシウム濃度が下がっていたらかなり重症のマグネシウム欠乏です。

マグネシウムとビタミンB1は共通の場所で働くことが多く、マグネシウムが欠乏したままビタミンB1だけを補充するとマグネシウムの欠乏症状が重症化する

ことがあります。様々な重篤な症状がマグネシウム不足に関係しています

マグネシウムとカルシウムのバランスも大切です。カルシウムを意識して摂っている方は多いと思いますが、カルシウムばかり摂ってマグネシウムを摂らないとバランスが崩れて心臓病や脳梗塞時の障害のリスクが増えることが指摘されています。食事が欧米化して乳製品によるカルシウム摂取が増えたのに対し、にがりや魚介類の摂取は減っていてマグネシウムとカルシウムの摂取バランスがかなり崩れています。

マグネシウムはカルシウムと同じか、それ以上の量を摂ることを心がけましょう。