詳細は本書に譲るとして、脳が自らを縮小させるという点がこの本の要点となっています。脳には体の隅々から情報が入ってきて余力の有無について判断をしています。余力がないと判断させる3つの大きな要因があります。炎症、低栄養、毒物です。
u 炎症 ・・・病原体、糖化タンパク質、トランス脂肪酸、リーキーガットの炎症など
u 低栄養 ・・・ビタミンD、葉酸などの栄養欠乏のほかホルモンや神経栄養因子
(運動などで増える)の欠乏
u 毒物 ・・・有害重金属、カビ毒、化学物質
脳がこれらの危機を感知すると脳を構成する神経細胞に「死のプログラム」を発動します。細胞間のシナプスも伸長をやめしなびてしまいます。縮小する場所には特徴があり、生命活動に最低限必要な部分は残され高次の機能を担当する部分は真っ先に縮小の対象となります。それが生物としての生存戦略だからです。生命活動にとっては不要な-でも私たちが人間らしく生きるために必要な高次の機能-記憶、創造力、洞察力、段取りや複雑な計算など-が切り捨ての対象になってしまいます。炎症・低栄養・毒物という観点で自分の体を見直し対処することが重要と言えるでしょう。