2021年6月1日

多めに入れて体に任せる

 

 栄養療法では、それぞれの栄養素を至適量入れることが大切です。栄養医学の理論上、至適量には大きな個人差があり環境要因によっても大きく左右されます。至適量の見極めこそが栄養療法の本質と言ってもよいでしょう。では至適量はどうやって決めればいいのでしょうか。栄養医学の先達は「多めに入れて体に任せる」と言いました。少ない場合には全く効果が出ないが多い分にはいくら多くても困らないというのです。量効果曲線はS状カーブを描きます。つまり至適量より少ない場合にはほとんど効果を発揮しません。至適量に近づき始めて急速に効果を発揮し始め、あるところで頭打ちになります。そこまで増やしましょうということです。


 このことを実践するためには栄養素の安全性への信頼が必要です。鉄則は口から天然の形で摂ること。口から天然の形で摂りさえすれば体は安全弁を働かせることが出来ます。安全弁には大きく三段階あります。第一の安全弁は腸の吸収です。第二の安全弁は貯蔵と運搬機構です。第三の安全弁は活性型・非活性型の変換です。


 細かい調節については、体感だけでは難しい場合があります。栄養解析検査は完璧ではありませんがいくつもの有用な情報を与えます。検査を上手に組み合わせて自分の至適量を見つけましょう。