酸素が関わる重要な代謝が体内にはたくさんあります。代謝反応中にエネルギーの高い酸素、反応しやすい酸素が作り出されます。これが活性酸素です。活性酸素は両刃の剣で代謝には役立ちますがただちに消さないと、周囲の正常組織を傷つけてしまいます。フリーラジカルも活性酸素と同じで電子を奪い、正常組織を傷つけます。フリーラジカルと活性酸素は相手を酸化することで性質や形を変えます。
酸化する力と消去する力のバランスを酸化ストレスの強さと定義することにします。活性酸素やフリーラジカルの方が多ければ、酸化ストレスは強い、消去システム(抗酸化物質や抗酸化ビタミン)が十分にあれば酸化ストレスは少ないと表現します。
糖尿病では、酸化ストレスが大変強い状態になります。血液中のぶどう糖は200mg/dlになると血液中のたんぱく質などと化合物を作ります。(グリケーション)。この結果出来たアマドリ化合物は糖化最終産物に変わり活性酸素発生のもとになります。またこの化合物は沈着するだけでなく、合併症に通じる余計な反応を引き起こします。