2015年12月21日

口腔と全身疾患
-体の健康はお口から-

ある患者さんで血液検査の結果が急に変わったことがあります。「何かありましたか?」と尋ねると、「歯の治療に通っていて、うまく噛めずにうどんばかり食べていました」とのお返事です。歯のこと、口腔内のことは、こちらから尋ねない限りお話されないことが多いようです。何となく話しにくかったり見られたくないとは思いますが、口腔内と体は切っても切れない関係があるのです。
歯周病の菌が血液に入ると、心臓の弁に付着して塊をつくって心臓の働きに異常を来したり、血管を詰まらせたりすることは昔からよく知られています。また歯周病菌や歯周炎によってTNF-αというサイトカインが増えインスリンの効き目を悪くすることにより、内臓脂肪の蓄積や糖尿病の原因になります。炎症の場所には常に活性酸素が発生しているため動脈硬化も進みます。歯周病を放置すると多くの恐ろしい病気に結びつくのです。
 

口腔内の状態を良好に保つためには、たんぱく質やビタミンCなどで抵抗力を保つこと、ストレスや過度の飲酒を避け唾液の減少を防ぐこと、よい口腔内細菌に置き換えていくことなどが大切です。予防医療と同時に予防歯科! よい状態を維持するために、歯科を定期的に受診し口腔内の健康を保ちましょう。
当院では、栄養療法やアマルガム除去に理解のある歯科医をご紹介しています。