2021年2月1日

腸内細菌は多様性(ダイバーシティ)が命

  善玉細菌を増やすのが'腸活'でしょ。そう単純ではありません。腸内細菌叢において重要なのは多様性です。多種多様な菌がちょうどよいバランスで快適に生きていける状態が最適です。ある菌が席巻つまりある種の菌がはびこって他の菌の存在を脅かす存在になると腸内環境も不穏になって様々な問題が生じます。人間社会と同じですね。


 「雑草」という名前の植物はないように、腸内細菌にも一つ一つ名前があります。遺伝子検査によって多くの菌が同定出来るようになって、それぞれの特徴や役割も少しずつ明らかになっています。腸に役に立つ物質を合成する菌、痩せやすい体質に関係しそうな菌、発酵によって有害な物質を産生する菌などそれぞれの特徴が見えてきました。しかし大事なことは有用菌が100を占めている状態がよいということではなくて、有用な菌も有害な可能性のある菌も、まだ何をしているのか分からない菌も、ある一定程度存在することが最適です。多様性を保つことにより有害と考えられた菌も無害な状態で眠らせることも出来ます。


適切で適度な多様性を持った腸内細菌叢は


        ビタミンを産生し

        消化管に栄養を与え

        蠕動運動を促してくれ、

        気分や嗜好によい影響を与えます。


腸内細菌を味方につけてよりよい人生を目指しましょう。