2013年6月10日

暮らしに役立つ栄養療法
-胆汁酸と食物繊維-


胆汁には消化酵素ではなくミセルを作って脂質の吸収を助ける胆汁酸という物質が含まれています。胆汁酸は肝臓でコレステロールから作られ、胆のうから腸管に分泌され、また再吸収されます。食事の中に食物繊維がたくさん含まれていると、胆汁酸と食物繊維が結びついて吸収されずに排泄されます。排泄された分の胆汁酸はまたコレステロールから作られますので、結果的に余分なコレステロールを腸に排泄していることになります。

 


食物繊維はよい腸内細菌を増やすのにも役立っています。食物繊維が少なく糖質の多い食生活を続けているとヒトに有用な腸内細菌の割合が減り、有害な腸内細菌の割合が増えてきます。肝臓で合成される胆汁酸はコール酸、ケノデオキシコール酸で一次胆汁酸と呼ばれています。この一次胆汁酸から腸内細菌によって作られる二次胆汁酸の種類は、菌の種類によって異なります。

クロストリジウム属のある菌種が作り出すデオキシコール酸、リトコール酸などは、肝臓や大腸に有害という報告が多数出てきました。したがって腸内細菌を改善することが本当に病気を予防に結びつくのですね。腸内細菌を整えるためにも食物繊維をたっぷり摂りましょう。