検診の結果を見ると、肝機能、腎機能、糖や脂質代謝と便宜的に分類されています。肝臓関係の数値が高いと「肝機能が悪いですね」という言い方もします。それぞれの項目がどういう意味を持っているか、興味がありますよね。
肝機能の欄のAST(GOT)、ALT(GPT)は別名「肝逸脱酵素」と言います。肝臓の細胞が壊れた時に細胞から外に漏れ出す酵素という意味です。ということは、この二つの数値が高い時には肝臓の細胞が壊れています!
肝臓の病気にはウイルス感染によるものや自己免疫疾患など多数ありますが、検診で見つかる大多数は脂肪肝です。「脂肪肝はたいしたことはない」と思っていると大変なことになります。だって細胞が壊れているのですから。
脂肪肝では、エネルギーを産生する代謝が滞っています。滞って溜まった脂質が過酸化状態になります。過酸化には活性酸素が関係しています。特にALTが高い場合、炎症や細胞の壊れ方が強くNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)という状態になり肝硬変や肝がんに進むこともあります。
ASTとALTの上昇は肝臓の細胞が壊れているサイン!
脂肪肝をあなどるべからず。