私たちは、日常的に豚肉や鶏肉、卵などのたんぱく質を食べています。でも体の一部が豚のたんぱく質や鶏のたんぱく質に置き換わったりすることはありませんね。当然と言えば当然ですが、とっても不思議です。
そのための仕組みが、消化→吸収→合成です。たんぱく質を食べるとアミノ酸やペプタイド(アミノ酸が数個つながったもの)まで分解されます。吸収されたアミノ酸やペプタイドは必要な細胞に運ばれ、指令に従って秩序正しく組み立てられます。出来上がったたんぱく質に脂肪酸や糖がつくこともあります。
植物性たんぱく質が体に良いのか? それとも動物性たんぱく質が体に良いのでしょうか? たんぱく質合成を成功させるポイントは、アミノ酸バランスです。
たんぱく質合成はブロックで立体を作るのと似ています。ブロック(アミノ酸)は20種類で、立体に使うブロックの種類とそれぞれの数は指定されています。一種類でもブロックが足りないと立体は完成しません。合成場所にあるアミノ酸の種類と数がぴったり揃っているのが理想的です。
他のアミノ酸から作れないアミノ酸を必須アミノ酸と言います。卵や乳製品などはアミノ酸が体の組成に近く、プロテインスコアの高い食品と呼びます。でも常に卵や乳製品を食べる必要はありません。メチオニンやリジンが不足している豆腐に小魚などを組み合わせると、十分アミノ酸バランスを整えることが出来ます。