腸内カンジダがどの程度増えているのか調べることは出来るのでしょうか?血液中のカンジダ抗体や便検査は、その時々のカンジダの量を反映しません。そこで登場するのが尿中有機酸検査です。尿中有機検査「イーストと真菌マーカー」ではカンジダや真菌が産生する物質を測定します。カンジダが産生する代表選手であるアラビノースについて詳しく見てみましょう。
アラビノースはカンジダが持つヒアルロニダーゼによってヒアルロン酸から産生されます。産生されたアラビノースは腸壁から体内に入り血液中を回って尿に排出されます(下図)。ヒトはアラビノースを産生することが出来ませんので、尿中に検出されたアラビノースは腸のカンジダによって産生されたと解釈できます(アラビノースはりんごやぶどうにも含まれているので検査前にはこれらの果物を食べないようにします)。
カンジダが増えればアラビノースも増え、カンジダが減ればアラビノースも減ります。そのため、リアルタイムにカンジダの増殖や治療効果を知ることが出来ます。また、アラビノース以外には酒石酸やシュウ酸もカンジダや酵母・真菌増殖のよいマーカーになります。
尿中の有機酸検査はカンジダの増殖以外にも、神経伝達物質の変換やエネルギー代謝がきちんと働いているかなどたくさんの情報を得ることが出来る優れた検査です。後日また説明する機会を得たいと思います。