2016年3月1日

冠動脈は心臓の命綱 ― 動脈硬化を予防せよ



心臓がエネルギーを生み出すためには、酸素と栄養分が常に供給されている必要があります。心臓は酸素の消費量が多く心臓に血液を供給している冠動脈が詰まると心筋が壊死してしまいます。心筋梗塞です。動脈硬化の予防が心臓を守ることにつながります。

太い血管にプラークが出来て血管が細くなるアテローム硬化は、活性酸素の発生や血管内膜の傷などによって進行しやすくなります。細菌などの感染による炎症も動脈硬化を進めるとの説があります。

動脈硬化の対策の第一は活性酸素を増やさないことです。血管内で活性酸素が発生する原因の一つに血糖値の上昇があります。ですから糖尿病の方は、動脈硬化を発生する確率が高くなります。糖尿病でなくても、食後の血糖値が急上昇すると活性酸素の発生が増えます。
 
 
 

明け方に起きる狭心症の原因の一つに冠動脈のれん縮があります。交感神経の緊張が原因と考えられています。夜遅くに飲酒したり炭水化物のドカ食いをしたりすると翌朝に血糖値が下がりやすくなり、血糖値を上げようとして交感神経が緊張し、血圧・脈拍の急激な上昇や狭心症の原因になります。

動脈硬化がかなり進んでいる方の場合、カロリー制限ダイエットと運動を急激に始めるのは危険です。血液が濃くなって血管が詰まりやすくなります。たんぱく質と野菜をたっぷり食べ、楽な歩行から運動を始めるなど、自分のペースで始めることが大切です。糖質制限食は食後の高血糖を防ぐことで活性酸素の発生を減らしたり、低血糖を防いで自律神経のバランスを整える効果があり大変有効ですが、間違った方法や、体の状態に合わない方法で実施している方も見受けられます。食事療法を開始する前に、血液検査や動脈硬化の検査などで自分の状態を把握し、専門家のアドバイスを得ることをお勧めいたします。