2013年7月16日

アンチエイジングを考える
-加齢とは何か?-


加齢とともに生物の体には何が起きるのでしょう?

 細胞の数の減少

 体に必要な成分の合成の減少

 ホルモンバランスの変化

 修復できない傷の増加と積み重なり

 腸内細菌叢の変化

細胞が分裂出来る回数には限りがあります。入れ替わりの細胞を作れなくなると体の細胞の数が減ってきます。細胞以外の体の成分、例えば骨や筋肉や軟骨、コラーゲンなどを作る力も年齢とともに減っていきます。これらは体格の変化として意識されることもありますし、疲れやすさや回復の遅さなど体の働きの低下として意識されることもあります。

修復できない傷に関しては、まず痛みが大きい問題でしょう。関節の痛み、神経の痛み。病院に行っても「歳のせいですね」と言われ「治らないのか」とがっかりして帰ってくることもあるでしょう。

痛みを感じない傷もあります。例えば動脈硬化! 動脈硬化は血管の壁、血液を流れる側に面している内皮細胞の傷が原因となって発展します。癌や認知症も傷によって出来る病気といってよいでしょう。遺伝子や細胞の膜に傷が生じると、まずは修復を試みます。修復がうまくできなかった時は免疫の働きやアポトーシスという細胞自体が持っている自死機能によって細胞は消滅します。働ける細胞の減少は機能の低下につながり瘢痕(はんこん)ような形で残ることもあります。数か所に同時に傷が起きたり、傷を取り除く機構が働かなかったりすると異常な細胞が増えるのです。

 


アンチエイジングとは、寿命という生物の宿命を受け入れながらも、自分で変更できる部分を積極的に変えていこうという試みのことです。病気や老化は環境要因や行動スタイルに大きく影響されます。生涯、健康で楽しい生活を送るためにはどうしたらよいかを一緒に考えていきましょう。