25(OH)ビタミンD濃度がひめのともみクリニックでも測定できるようになります。自費の検査ですが25(OH)ビタミンD濃度が測定出来るとビタミンD欠乏の有無がかなりはっきり診断できるようになります。
ビタミンDの検査には1,25(OH)2ビタミンD濃度もあります。この2種類の数値が意味するところはかなり違います。どのように違うの? という方のために少し解説します。
ビタミンDがカルシウムと協調して骨の強化に働くことは皆さんよくご存知だと思います。小腸や腎臓でのカルシウムを促進し、骨の細胞(破骨細胞など)に直接働きかけて骨のリモデリング(骨の破壊と再構築により骨の形や強度を維持すること)を正常化します。成長期のビタミンD欠乏による骨の変形はくる病と呼ばれています。また閉経後の女性や高齢者においてビタミンDが欠乏すると骨粗鬆症になりやすくなります。
ビタミンDはビタミンという名前がついていますが、核の中にある受容体に結合して遺伝子に直接働きかけます。ホルモンと似た作用です。ホルモンと似て遺伝子に直接働きかけるのですから、食べた量や血液中の量にその都度左右されると困ります。そこで活性化という 段階を経て働きます。1,25(OH)2ビタミンDは骨に働くように活性化された形ですから、よっぽどのことがないと濃度は一定です。ですから1,25(OH)2ビタミンD濃度を測定しても、ビタミンD欠乏かどうかはわかりません。
そこで25(OH)ビタミンD濃度の登場です。25(OH)ビタミンD濃度はビタミンDが肝臓で一段階活性化されて出来ます。最も活性を持つ1,25(OH)2ビタミンDの一つ前の段階です。
ビタミンDにはカルシウムに関係ない作用もあります。例えばがん細胞の増殖抑制を抑制したり正常な分化を誘導したり、副甲状腺ホルモンの産生を調節したりします。発毛や免疫の調節作用もあります。ビタミンDの欠乏の有無によって骨以外に対する作用はおおいに変化します。またビタミンDサプリメントがどれだけ必要かの判定や飲んだ効果の判定にも役立ちます。ビタミンD不足が気になる方はぜひ25(OH)ビタミンD濃度の測定をご利用ください。