2014年4月1日

初歩から学ぶ体の仕組み
エネルギー産生工場
生命の鎖・ビタミンB群


エネルギー産生の仕組みは、製造工場に似ています。工場では供給された材料がベルトコンベアーなどでそれぞれの製造・加工ラインを通過し製品となって出てきます。


製造・加工機械にあたるのが酵素です。酵素はたんぱく質とビタミンやミネラルで構成されています。ベルトコンベアーの代わりに酵素が隣接し、効率よく次へ材料を受け渡しています。エネルギー産生回路にはぶどう糖、アミノ酸、脂肪酸といった複数の材料供給口があります。

図に小さく書かれているのが、反応に必要な補酵素です。補酵素が不足すると反応がそこでストップし、製造工程全体が滞ってしまいます。ビタミンB群の一つ、パントテン酸の発見者である故ロジャー・ウイリアムス博士は、著書の中で、「栄養素は一つのチームとして働く。必須栄養素は鎖で出来た首飾りのようなものだ」と言っています。どこか一か所でも細いところがあると、生命の鎖は切れてしまうのです。