検診で「肝機能」と呼ばれているAST、ALT、γGTP、ALPなどは肝臓や胆管に炎症があったり細胞が壊れていたりする時に高くなります。ですから肝臓の病気を発見し、壊れている原因を調べて早く取り除くことに役立ちます。ですが・・・これらの数値が高いことと肝臓の働きは無関係です。「代謝が滞っていたり、今後細胞の数が減るかもしれないから気をつけなさいよ」ということです。肝臓の合成や解毒の働きが本当に低下している時は、肝臓の細胞はすでにかなり減ってしまっています。
一方、これらの数値が低い時には注意が払われていないように思います。例えばALTの基準値は5~45(検査機関によって若干の違いあり)と、かなり幅があります。肝臓に炎症がなければ、血液中の量は細胞内の酵素の量を反映しています。数値が低い時は、細胞の中の酵素の量が減っているので働きが低下しています。
酵素の減少の一番多い原因は栄養欠乏-特にたんぱく質と補酵素の欠乏です。例えばALTの補酵素であるビタミンB6が欠乏すると不完全な酵素(アポ酵素)のまま活性を持てず、寿命がとても短くなるので量も働きも減ってしまいます。