2021年12月1日

重力刺激と感染症

 

 先日、星出さんが宇宙両行から帰還しました。民間ロケットの開発も進み宇宙旅行が身近になってきました。これまで無重力状態が人体に与える影響が様々研究されています。感染症もその一つです。NASAの報告によると宇宙滞在中にヘルペスや水痘、帯状疱疹(ほうしん)などのウイルスが再活発化して発症する人が5割以上にのぼったそうです。疲労やストレスが免疫力の低下の原因と考えられていましたが、無重力による免疫細胞の低下も関連しているのではないかとの仮説が出されました。そこで宇宙空間で運動をたくさん行ってもらったところウイルスの再活性化が防げたという論文があります。The FASEB Journal. 2020;34:2869–2881


 宇宙ほどではありませんが、寝たきりになると重力負荷や運動による骨への刺激が減ります。寝たきりの人にとって肺炎などの感染は命を縮める可能性があります。体を起こしてあげること、手足を動かしてあげることなどを意識したケアが望まれます。