2023年2月1日

水素がつくる明るい未来

 水素H2は地球上で最も軽い分子です。この小さな分子が人類を救うほどの大きな力を持っています。我々が老化や病気の予防の時に度々問題にしている活性酸素と炎症を抑制する作用があるからです。


水素はとても安定な物質ですが、活性の高い活性酸素が近くにあると結合して安定化します。活性が低い活性酸素とは反応しないので選択的抗酸化作用と呼びます。活性の高い活性酸素はヒドロキシラジカルや過酸化亜硝酸塩などで悪玉活性酸素と呼ばれ組織障害性が高く、存在しない方がよい活性酸素です。活性の低い活性酸素とは過酸化水素、一酸化窒素ラジカル、一重項酸素などのことで、生体内で何らかの役割を果たしている可能性がある活性酸素たちです。


水素は、炎症を抑制することも知られています。基礎研究のレベルではNFκBを介して炎症を抑制することがわかっています。


 NFκBは炎症や細胞増殖、細胞死などに関する遺伝子の発現のスイッチを入れる因子です。


 ある種の防御因子で抗炎症作用を持つNrf2を刺激することも知られています。Nrf2は解毒や抗酸化に関わる酵素の発現を増やします。AGEsを直接減らす作用があることもわかっています。良いことづくめですね。


 水素は相手があればいつでも反応してしまうので、目的の臓器に届かせることが課題です。ですから効かせたい場所によって水素発生カプセルを服用したり、水素ガスを吸入したり生理食塩水に水素ガスを封入して点滴したりします。関節の炎症を抑えたい時には直接関節内に注射する方法もあります。みなさんも水素が効果を発揮するためには、どれだけの量をどのように体内に入れるかを考えながら選択してくださいね。

註2)辻直樹著「なぜ水素で細胞から若返るのか」を一部参考にさせていただきました。