2013年8月19日

アンチエイジングを考える
-高齢者の血球減少と栄養-


血液中を流れる細胞を血球といいます。血球には赤血球、白血球、血小板があり赤血球だけが減少することを貧血といいます。年齢が高くなると赤血球だけではなく血球全部が減少する汎血球減少症にかかる率が高くなります。

 


赤血球の減少は酸素の運搬に不利になります。白血球減少は感染症の重症化や免疫力の低下、血小板の減少は出血に直結しますので重症の場合には骨髄の検査をしたり血球を増やす治療をしたりする必要があります。

検査をしても異常が見つからなかった場合、栄養不良が原因になっている可能性があります。細胞分裂に必要な栄養素、たんぱく質合成に必要な栄養素、それから血球を育てるゆりかごである骨髄の栄養分は足りていますか?

骨髄には新しい細胞のもとになりあらゆる血球細胞に変わることのできる血球幹細胞という細胞があります。それぞれ長い道のりの分裂と分化をへて血球細胞になります。

貧血というと鉄欠乏にばかり目が行きますが高齢者の貧血の原因は鉄よりもたんぱく質欠乏です。たんぱく質やビタミンB群の摂取量が減っているために体内のたんぱく質を十分作ることが出来ない可能性があります。

ビタミンAも重要です。ビタミンAは脂溶性ビタミンのため油脂が減ったり、胆のうなどの疾患で脂質の吸収が減った場合には欠乏が強くなります。ですから年齢が高くなっても良質の脂質を摂り続けることが大切です。

関節の痛みがある方はコンドロイチンやグルコサミンの合成能力が減っています。コンドロイチンとグルコサミンは骨髄の血球のゆりかごを快適にするのに役立っています。

食べられる量が減れば減るほど、質を高めて骨髄によい栄養を摂るように心がけましょう。