2014年6月5日

検査値のここに注目!
尿酸値…高くても低くても要注意!


お酒を飲み過ぎた翌朝に足の親指の付け根が痛くなって痛風と診断された方いませんか? 痛風の原因となる尿酸はプリン体の代謝産物、そしてプリン体はDNARNAなどの核酸の材料になる物質です。

プリン体の多くは再利用され一部は肝臓で合成されます。尿酸値が高い原因には代謝の異常・再利用の障害や尿中への排泄障害があります。尿酸濃度が急激に変化する時に痛風発作が起きやすくなります。単に食べ物からの摂り過ぎではなく複合的な要因です。

 

Ÿ  代謝・再利用障害・・インスリン過剰分泌やアルコール、ビタミンB12・葉酸欠乏

Ÿ  尿への排泄障害・・飲酒や運動による乳酸の増加など

Ÿ  酸化ストレス・・活性酸素の発生、抗酸化物質の不足

 

健康のためにする運動も、急激に始めたりATPや酸素の供給が不十分な状態で続けると痛風発作の原因になるので要注意です。インスリンの過剰分泌も尿酸上昇の原因になります。個人差がありますが、糖質制限食により高かった尿酸値が下がった方もいます。尿酸値が高い場合、ただ下げるのではなく根本的な原因を解決することが大切です。

他の動物が尿酸をさらに分解出来るのに対し、ヒトは尿酸を分解することが出来ません。ヒトがビタミンCを合成出来ないことと合わせて考えると面白い側面が見えてきます。尿酸には抗酸化作用があります。尿酸値を上昇させることによって酸化ストレスから身を守っているのでないか?と思われるのです。

ですから、悪者と思われがちな尿酸値も低すぎる(目安として3未満)と要注意です。尿酸による抗酸化作用が不足している場合があります。尿酸値が低い方はビタミンCなどの抗酸化ビタミンをしっかり補って抗酸化作用を高める工夫をしましょう。