2015年4月1日

5時間糖負荷試験

 5時間糖負荷試験は機能性低血糖症を診断するための検査です。通常糖尿病を診断するためには2時間糖負荷試験を実施しますが、低血糖症では2時間以降に血糖値の急激な変化を生じる方が多いため、2時間糖負荷試験では見逃されてしまいます。そこで5時間かけて測定します。

機能性低血糖症の診断では、主に次の点に注目します。

l 血糖値の急激な変動がないか?

l 血糖値とインスリンの分泌がずれていないか?

l 血糖値の低下の程度はどのくらいで、どの時間帯に低下するか?

機能性低血糖症と一口に言っても、上昇下降を繰り返す乱高下タイプ、見掛け上の血糖値の変動が少ないフラットタイプ、大きく上昇した後急激に下降するジェットコースタータイプ、二峰性タイプなどその人それぞれの特徴があります。血糖値が平坦に見えても体温変化が大きかったり、インスリンの分泌が長時間持続したりする場合は重症です。

機能性低血糖症の問題は、単に血糖調節に問題があるだけでなく多彩な精神症状や自律神経症状、身体的な症状を示すことです。うつ病やパニック障害など他の病気と間違われていることもあります。本人の苦痛が強いのに検査で異常なしと言われ途方に暮れている人が多いのが現状です。そこで次回は、機能性低血糖症に焦点をあててもう少し詳しく解説したいと思います。