2012年3月10日

子どもの食事を考える
-成長期~受験期の栄養-


子どもの成長曲線は生まれた直後の1年間が最も急でその後緩やかに上昇し10歳ごろから再びやや急になります。一般に女の子の方が早く身長増加の時期を迎えるため小学校56年生では男子生徒より女子生徒のほうが身長が高くなる状況が起きます。個人差はあるものの中学生(13歳以降)になると男子生徒の伸びが目立つようになり17歳ごろまで伸び続け、女性の身長の伸びは1415歳ごろにはかなり緩やかになります。

 この時期は第二次性徴期とも呼ばれ性ホルモンによって男性として女性としての体の変化が起こります。昨今は月経の始まり(初潮)がやや早まる傾向があるようです。

体の成長に合わせて栄養の必要量も増えています。女性の場合には月経の始まりとともに鉄欠乏の可能性が高くなります。これだけの変化を支える食事はきちんと摂れていますか?

地域によっては小学生の半数が中学受験をするようです。中学受験の入試問題は大学生でも解けないような難しい問題が出るので塾通いをする方も多いことでしょう。教育環境を選ぶのは大切なことですが、この時期の食事には格別に注意が必要であることをしっかり心に留めてください。学校から塾の間におにぎりや菓子パンで簡単に食事を済ませ、夜遅く帰宅して夕食をとり睡眠不足で朝ご飯を食べられないまま登校するような生活では、この成長期を支えることは出来ません。

子どもが心身共に健康に成長できるように、まずは栄養をしっかり摂れるよう心を配りましょう。

 

―成長期の鉄欠乏は学習能力・運動能力にも影響―

きちんと食事を摂っていても成長が活発な時期には供給が需要に追いつかない時期があります(図矢印)鉄は脳の発達にもたいへん重要なので言語や運動能力の発達にも大きな影響を及ぼします。

朝早く起きられない

学校から帰ってくるとごろごろしている

集中力がない

午後の授業の居眠り

肩こり

めまい

食欲不振

動悸

息切れ

しびれ感

足がだるい

冷える

寒がる

これらはすべて鉄欠乏症の症状です。

鉄欠乏は一般的な検査では見つからないので「検査で異常がないから心療内科や小児精神科へ行った方がよいのではないか?」「発達障害の検査を受けたほうがよいのではないか?」と言われてしまうことがあります。鉄欠乏は疑わなければ見逃されてしまいます。上記の症状を見たらまず鉄欠乏を疑って専用の検査をしましょう。

 


 

―思春期の痩せについて―

よくも悪くも思春期は自分を意識し始める時期ですから、容貌や体形が気になります。

ファッション雑誌などで痩せてすらっとした脚の女性を見ると自分もそうなりたいと思う気持ちもよくわかります。日本の若い女性は世界的に見るとかなり痩せているようです。

美しいというのは健康美も兼ねているはずです。不健康な痩せ方では美しく見えません。

体重は減っても骨がすかすかで筋肉が少なく脂肪ばかりで、隠れ肥満になっている女性が結構多くいます。そのような方は皮膚のつやや張りもありません。隠れ肥満は食べすぎではなく代謝の低下によって起こります。代謝の低下=必須栄養素の不足です。今より痩せたいと思う方は糖質・炭水化物を減らす糖質制限食を実行しましょう。必ず満足のいく結果が得られるはずです。脂肪が減り筋肉が増えると体重は増えることがあります。糖質制限食では体重変動がなくなったらそこが理想的な体重と考えましょう。筋肉質で代謝の良い引き締まった体になり毎日の生活にも健康感が得られます。思春期に女性ホルモンが増えるとある程度の皮下脂肪が付きます。それが自然な美しいラインを生みます。最近の雑誌では健康に痩せる特集もされているようですから若い方もぜひ参考にしてください。