2012年12月1日

暮らしに役立つ栄養療法
-遅延型食物アレルギーとLGS(腸管壁浸漏症候群)①-


特定の食品を食べると口の周りや目の周囲が腫れたり、気管がぜいぜい言ったり、ひどい時にはショック症状を起こしたりすることがありますね。食事から10数分で表れるこのような症状は即時型アレルギーと呼ばれ主にIgE抗体が関係しています。食品との因果関係に比較的気づきやすいアレルギーです。

一方、遅延型食物アレルギーは食べてから症状が出るまでに1日から2日かかり、IgE抗体ではなくIgG抗体が関係しています。

遅延型アレルギーは

  • 食べてから症状発現まで時間がかかり因果関係に気づきにくい
  • 症状が漠然としている――頭痛、下痢、疲労感、 うつ、しびれや痛み、動悸
  • 複数の症状がある、症状が移動したり変化したりする

ことから、かなり疑って調べないと診断できません。

遅延型アレルギーによって起こりうる疾患や症状をあげてみましょう

  1. 慢性の胃腸症状(下痢や膨満感、消化不良など)
  2. 頭痛・めまい・耳鳴り、倦怠感・脱力感 
  3. 関節リウマチや原因不明の関節痛・筋肉痛、しびれ
  4. うつ症状、自閉症や注意欠陥・多動性障害と診断されるような症状
  5. 微熱、月経困難、生理痛、月経前症候群(PMS)、自律神経失調症
  6. 動悸・不整脈、胸痛発作
  7. アトピー性皮膚炎、気管支喘息、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎・結膜炎

これらのリストには通常アレルギーとは思われていない症状が多く含まれています。普段行われている検査では異常が発見されず「気のせい」とか「精神的な問題」とされて心身症・うつ病の治療を受けている人も少なからずいるはずです。症状を起こす場所が移動したり変化したりするために「仮病ではないか?」と疑われることもあります。

次回は、どのような原因で食物アレルギーが起こりやすくなるのか、どうしたら予防したり改善させたりできるのかについてお話ししてみようと思います。