2012年12月1日

病気はなぜ起こる?
ⅠⅠ型糖尿病を治そう!②-


前回からインスリンが出ているのに血糖値が高いII型糖尿病の話をしています。今回はインスリンの効き目(インスリン抵抗性)に対する改善方法を考えてみましょう。

インスリンの効き目を悪くする主な原因には

    インスリンが過剰に出続けていること

    インスリンの作用を阻害する物質

の二つがあります。

 インスリン作用を阻害する物質の代表がTNFαです。TNFα内臓脂肪が肥大した時に増えるホルモン様物質(アディポサイトカイン)で炎症や高血圧、高脂血症、血栓症にも関係しています。図のように内臓脂肪からは複数のアディポサイトカインが分泌されていて肥大すると分泌比率が変わり、体に不都合な作用が増えます。

 

持続的なインスリン分泌もインスリンの効果を弱めます。一般の細胞ではインスリンが受容体に結合すると糖を細胞内に取り込む輸送体GLUT4など)が細胞の表面に現れます。この仕組みは疲れやすく(??)ずっと刺激が続くとサボタージュを起こし糖輸送体が細胞の表面に出てこなくなります。細胞にもオンとオフの切り替えが大切です。

内臓脂肪を減らすこと、インスリンが出ない時間帯をつくること、この二つがインスリンの効き目を回復させる鍵です。インスリンは糖を細胞の中に入れて脂肪として蓄える働きをしているホルモンですから糖とインスリンが供給され続けている状態では脂肪細胞がどんどん太ります。食事からの糖の供給がなくなりインスリンが低い状態が続けば脂肪細胞から脂肪が運び出されエネルギーへ変換するモードに切り替わります。つまり血糖値を上げないようにすれば、両方を効率よく実現することができます。

 


糖尿病と診断されてもがっかりすることはありません。タイプにあわせて最適な治療法を組み合わせていけば一生健康人と同じような生活が送れるのです。