2013年12月11日

栄養療法 基本の「き」
-栄養療法は根本的な原因を改善する-


医学を学んだ方ほど栄養療法やサプリメントは異端というイメージを持っているようです。大きな誤解です。栄養医学でも、西洋医学(つまり科学)で知ることが出来た体の仕組みや病気の原因を基本にして問題を解決しようとしています。使っている原理は同じ、違うのはアプローチの仕方です。

木の根元に病原菌が巣くっているとします。枯れてきた葉っぱや枝を刈り取っても木全体の力は弱り、また新しい場所の枝葉が枯れていきます。人間も同じです。人という一つの大きな代謝システムをイメージしてください。奥の根っこの方に何か不調があったとします。血圧が上がるとか、湿疹が出来たとか、髪の毛が抜けるとか、最近お腹が出てきたとか、血液検査では血糖値やコレステロールが高いとか・・・。これらの異常は表面に出てきた症状であって、一時的に薬で改善しても奥にある問題は解決していません。

栄養療法は根本的な原因を改善することを目的としています。

例えば、生活習慣病といわれる高血圧や糖尿病、高脂血症などの多くは、内臓脂肪の異常な肥大が原因です。内臓脂肪が出す様々なホルモン様物質や炎症のもとになる物質が病気の原因になっています。内臓脂肪を減らすような効果的なやせ方が出来れば、多くの問題が解決します。内臓脂肪を増やすのはインスリン、インスリンの分泌を増やすのは血糖値の上昇、だから血糖値を上げないようなものを食べよう! という具合です。

実際に、要点をしぼって食事療法をしていただくと本人も驚くほど短期間で効果があがります。体は体の理論通り正直に変化するので当たり前といえば当たり前です。栄養療法では当たり前の体の働きに注目してそれを少しだけ後押ししています。

様々な病気に対して栄養療法は根本的な原因を診断してアプローチしています。その結果、薬を使わず本来持っている体の働きを利用して目覚ましい効果をあげているのです。